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珈琲浪漫紀行その2 『修道士さま、これは奇跡の実です! ヤギとこのぼくに奇跡が起きました!』 興奮した面持ちで話すヤギ飼いの少年の手には、 その奇跡を起こすという赤い実がにぎられていました。 この少年の名はカルディ。 コプトキリスト教の国アビシニア(現在のエチオピア) アラビア半島とアフリカ大陸が出会う場所での物語です。 その地こそ、私たちが愛するコーヒーの生まれ故郷!! ともいうべき運命の場所なのです。 さてある日のこと、ヤギ飼いのカルディは 放し飼いにしていたヤギたちが、夜になっても 元気に飛び回っていることに驚きました。 「なぜだろう?いったいどうしたんだろう?」 不思議に思ってしばらく見ていると、 ヤギたちはみな赤い木の実を食べていることに気付きました。 そこでカルディも、試しにその実を口にしてみました。 するとどうでしょう!!! ナント、全身に活力がみなぎってきたではありませんか。 これに驚いたカルディは、修道士の元にかけつけ、 この奇跡を告げたのです。 カルディの話を聞いて、修道院の院長が その実を煮た汁を飲んでみるととても、 気分が爽快になり活力が沸いてきたのです。 院長は修道僧たちにこれを飲ませることを思いつきました。 なぜなら、徹夜で行うの長い行事の際に眠り込んで しまう僧がたくさんいたからです。 この汁を飲ませるようになってからは、誰も 居眠りをしなくなったということです。 そしてその後この赤い木の実が、修道僧たちの間に 睡魔に打ち勝つ“秘薬”として 広まっていったのです。 「赤い木の実」 とは何か、もうお話するまでもありませんね。 僧オマールの話とヤギ飼いカルディの物語に 共通するのは、コーヒーの実の持つ奇跡の力と、 僧たちが登場することです。 その後コーヒーは、イスラム寺院での僧たちの修行に 秘薬として長い間使われることになりました。 13世紀当時この薬はイスラム教聖職者の 門外不出の秘薬でしたが、イスラム教の中心地である アデン、メッカ、カイロへと次第に広まって行きました。 アラビアのイスラム教の僧侶の間では 禁酒の掟もあり、厳格な戒律を癒す貴重な飲み物 として親しまれていったのです。 この飲み方もすでに現在のコーヒーに近い ものになっていたようですが、それは イスラム教の関係者たちの間だけで、 一般人にとってはコーヒーは まぼろしの飲みものだったようです。 |
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