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    珈琲浪漫紀行その1

   1258年の物語です。イスラム教の国アラビアのモッカ
 (現在の北イエメン)にシェーク・オーマー(オマール)という
  祈祷師がいました。

  人々からうやまわれていた彼は、ある日、モッカ王の娘の
  病気を治すため宮殿に呼ばれたのですが、
    (よくある昔話のパターンですが)

   美しい王女(私みたいな!)と恋に落ちます。

  当然、王の怒りに触れ町を追われてしまい、オーザブ山に
  追放された オマールが、空腹に耐えながら山の中を
  さまよっていると 不思議色した小鳥たちが陽気に
  さえずっている木を見つけたのです。

   その枝には美しい花が咲き、実がなっていました。
  オマールは、迷わずその赤い実を口にしました。
  その実はお世辞にもおいしいと言えるものではありませんでした。

   しかし、しばらくすると不思議なことに飢えがいやされ、
  さらに驚くことに、疲れきっていたオマールの体から
  疲労がサッと消え、気分が爽快になったのです。

   一方その頃、オマールを追い出した領主の町では、
  病気が猛威をふるい、人々を苦しめていました。

   人々は、オマールが町にいた時に、
  彼の祈りによって多くの人々が助けられたことを思い出し、
  すがるようにオマールを追ってオーザブ山に分け入り、
  助けを求めたのでした。

   人々から町の惨状を聞いた彼は深く悲しみ、
  町の人々の為に祈りました。

   そして,自分の体に不思議な力を与えてくれた
  赤い実の煮汁を人々に与えたのでした。

   すると多くの人々が、オマールに起こった奇跡と同じように、
  病からあっという間に回復したのです。
  人々は救われ、町はよみがえりました。

   この実の名がアラビア語で『力』を意味する
  「カーファ」で『コーヒー』の語源となりました。

   このことからオマールは以前にもましてあがめられ、
  町に迎え入れられたのです。

   この町とは、後にコーヒー豆の積み出し港となり、
  コーヒー豆の名前としても有名な『モカ』の町です。

   そしてオマールは、この地名をとって

       『モカの守護聖人』

  と呼ばれるようになったのです。

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